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斉藤さんインタビュー


斉藤先生は、神秘思想を中心とした著作を多く書かれている作家です。また、それのみならず、ホスピスの心理カウンセラーなどでも活躍されています。今回は、斉藤先生に本作品を書かれた動機など、インタビューさせていただきました。




― 本書の執筆のきっかけはどのようなものでしょうか?

哲学というと、なにやら抽象的で難しくて理屈っぽいといったイメージがありますよね。哲学者と呼ばれる人というのは、ヒゲぼうぼうで眉間に皺を寄せて、気難しくて、冗談も通じない(笑)、そんな姿が思い浮かびます。あまりお友達にしたくないタイプです。私も最初はそんなイメージをもっていました。実際、そういった感じの哲学者もたくさんいるのでしょうが、古代ギリシアの哲学者について調べてみたら、そんなイメージがいっぺんに吹き飛んでしまったのです。なんとまあ、そこには、私たちと同じように人間くさい、もしかしたら私たち以上に人間くさい哲学者たちが、これでもかこれでもかと登場してくるではありませんか。しかも、その奇妙きてれつなこと!

こんなことは、学校の教科書には書いていないのですね。教科書には小難しいことばかり書いてある。だから、哲学というのは堅くてつまらないといった印象を受けてしまう。私が本書で紹介したような、哲学者たちの人間的な側面が、もっと世の中に知られていたら、今よりもずっと、哲学というものが身近になっていたはずです。哲学というものは、一部の変わり者のすることではなく、人間として生まれた限り、すべての人が直面しなければならないものです。なので、人間に焦点を当てることで、哲学の楽しさを読者の方々と分かち合いたいという気持ちから、本書を書いてみたいと思ったのです。


― 本書に登場した哲人のなかで、特に斉藤先生の関心の深い哲人はいますか?

本書では、主に、数学や音楽療法の開祖ともいうべきピュタゴラス、「汝自身を知れ」と説いた哲学の王様ともいうべきソクラテス、そして彼の弟子プラトン、快楽主義を唱えたエピクロス、禁欲主義のゼノン、神秘思想家のプロティノスなどが取り上げられています。どの人も愛してやまない魅力的な人たちですが、あえてひとりあげるとすれば、やはりプラトンでしょうか。プラトンの哲学とは要するにソクラテスの哲学なのですが、人間の魂の故郷である真善美のイデア世界と、その世界への帰還を説いたプラトンの思想は、哲学の始まりであり、また終わりだと思うのです。極論すれば、この世に存在するすべての哲学というのは、プラトン哲学の「注釈」にすぎません。すべての思想が究極的に帰り着くのは、結局はプラトン哲学であると思っています。


― 子供にとって本とは、どのようなものだと思いますか?

子供というのは、空想と現実とが、大人ほど明確に分離されていません。しばしば自分の空想世界のことを現実に起こったことだと錯覚したりします。本というものは、本質的には空想といいますか、観念の世界での体験であり、現実ではないのですが、しかし子供にとっては「現実」なのです。したがって、子供の頃にすばらしい本を読むということは、ある意味で子供はそれを現実的な体験として認識し、その結果として、本の内容を自分自身の血とし肉とすることができるのです。

人間の人格というものは、体験によって構築されていくのですが、すばらしい体験といったものはそうたくさん得られるものではありません。しかし、すばらしい本というものは、いくらだって手に入るのです。なので、子供の頃にすばらしい本を読むということが、その子の人格をすばらしいものにするという点において、どれほど重要なことであるか、どんなに誇張しても誇張しきれるものではありません。

子供こそが人類の未来なのですから、子供の人格をすばらしいものにしようとする試みはすべて、人類の未来 を明るくしていることになるのです。私は、子供のためのすぐれた本を書いている作家、そういう本を世に出している出版社に対して心から敬意を表したいと思います。


― 好きな休日の過ごしかたは、どのようなものになりますか?

私はサラリーマンではないので、明確にこの日は休日だという日がありません。なんだかいつも働いているような気がしますが・・・(笑)。
私は仕事が遊びのようなところがありますので、逆にいえば毎日遊んでいるといえなくもないです(笑 い)。気晴らしとしては、原付バイクで近所の自然のあるところを走ったり、クラ シック音楽を聴いたり、本を読むといったことでしょうか。




― 現在好評発売中の「ブーバーに学ぶ」の見所を教えていただけますか?

『ブーバーに学ぶ』(日本教文社)は、哲学者マルティン・ブーバーの人と思想についてわかりやすく書いた本なのですが、現代そしてこれからの社会において、彼の思想は非常に重要なものであると考えているのです。ブーバーは、生命あるいは魂としてお互いを受け入れ合う関係性を、「我と汝」の関係と呼びました。一方、相手をモノ扱いする打算的な関係を「我とそれ」の関係と呼びました。そして、人間や社会が病んでしまうのは、「我とそれ」の関係ばかりはびこっているからだと説き、人間が健康に幸せに生き、世界が平和になるためには、「我と汝」の関係を取り戻す必要があると説いたのです。

一見すると難しい印象をもたれるかもしれませんが、ブーバーの思想はとても身近なものです。たとえば、病気や何らかの苦悩を抱える人を助けてあげたいと思ったら、まずはその人と「我と汝」の関係を築くのです。へたな治療やアドバイスをするよりも、ずっとその人を健康にし、苦悩を癒すことができることに気づくはずです。なぜなら、「我と汝」の関係性を築いたとき、生命は活性化し、生命がもっている叡智が覚醒されるからです。

世にいう名医、すぐれた教師、その他どのような分野であれ「達人」と呼ばれる人は、この「我と汝」の関係性を築くことに長けていたのです。私はすべての人に、ブーバーのこの偉大な思想を理解していただきたいと心から願っています。


― どうもありがとうございました。


斉藤啓一プロフィール
1960年東京都生まれ。作家。思想家。「意識の覚醒」を研究テーマに、神秘思想を中心とした著作や講演を続けている。その一環として、ホスピスの心理カウンセラー、代替医療ホメオパシーの研究家としても活動し、占い師としても、日本における「カバラ数秘術」の第一人者として多くの雑誌やインターネットサイト上で知られている。作曲を趣味とし、CD製作やライブ活動などを行っている。
 2006年1月現在までの著作として、『秘法カバラ数秘術』、 『ファウスト博士の超人覚醒法』 、『神秘の前世占い』 (以上 学研)、 『運命の赤い糸の見つけ方』 (徳間書店)、 『神聖ゲマトリア数秘占術』、 『正統カバラ・タロット占術』、 『超人ピタゴラスの音楽魔術』 、『超人ケイシーの色と形の魔術』(以上 学研)、 『POPなギリシア哲学』(同文書院)、『フランクルに学ぶ―生きる意味を発見する30章』『ブーバーに学ぶ―他者と本当にわかり合うための30章』(以上 日本教文社)がある。

著者ホームページ 
http://www.interq.or.jp/sun/rev-1/