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さくらまいさんインタビュー


さくら まいさんは、在米生活20年を超えるニューヨーカーです。シングルマザーとして孤軍奮闘しながら、息子さんと楽しく日々を過ごされています。そんなさくらさんのエッセイ『天国からの贈り物』は、さくらさんの長い米国生活を綴った自伝的作品になっています。今回は、さくらさんに本作品を書かれた動機など、インタビューさせていただきました。




― エッセイを描かれるようになったきっかけについてお話ください。

小学生の頃から、書くことが大好きでした。
俳句なんかはいつもクラス人気投票1位を争ってた。
中学の頃から、漠然と作家になりたいって思い始めてました。
でも、なにもしなかった。
思ってただけ。
なにが書きたいってわけでもなかったから、ラジオのリクエスト葉書を上手に書いて、自分のリクエストをかけてもらうくらいだった。
当時、ラジオ番組に出した葉書でレコード券をもらいそれでいつもレコードを買ってたくらい、私の葉書はいつも読まれてた。
書くってこと=レコード券だった。
高校入学した時にクラスで自己紹介したら、「ああ、いつもラジオで名前読まれてる人ですよね!」って言われちゃいました。
知らない間に名前覚えられちゃってた。
ある日ネットプログというものを友人から紹介され、過去の私に起こった出来事を書き綴っていたら、私の日記にいつの間にか、たくさんの人が集まって来ました。
その中で、“さくらさん、あなたにはもの凄いシンクロ現象が今起きていますよ!”ってコメントがあって。

私の人生って、普通じゃないんだ?!って気がついた。
しんどいなとは感じてた。
いつも何かが起きてしまう。
しあわせって思った瞬間に、しあわせが手のひらから零れ落ちていくようなことがいつも起きてた。
でも、その出来事の一つ一つがまた次のステップに確実に繋がっていって、新たな私の人生の舞台が幕を開けていた。
あまりに次から次へと息継ぎもできないまま、舞台が展開していくような人生だった。
極めつけが母の突然の交通事故死、離婚、父の突然の病床。
息子の精神的トラブルも抱えてしまい、自分自身もが呼吸困難の発作を起こしてしまうほど、精神的に追い込まれていっぱいいっぱいの生活をしてた。
円形脱毛症が起きてしまったときには、かなり重症だなって自覚しました。
そんな心のリハビリをネットプログでしてました。
書くことで、救われていたんです。
「作家になれるよ!」と私の日記に集まってきた人達が書いてくれて。
段々本気で書いてみようかなって思い始めたのがきっかけです。
私の人生そのままがネタで溢れてた。


― ネットでの反響がきっかけだったのですね。さくらさんの愛読書について語っていただけますか?


小学校の頃から、暇さえあれば図書館にこもって本を片っ端から読んでました。 その頃は、名作集専門だった。
殆どの名作と呼ばれる本は読んだんではないかしら。
もう覚えてないけど。(笑)
ロミオとジュリエットに憧れるようなそんな文学少女でした。

中学時代はテニスに夢中で殆ど本は読む暇がなかった。
あけてもくれてもテニス、テニス。高校時代までそれが続きました。
あ、私、市内では一番のテニス少女だったんですよ。
レコード券少女だったのが、優勝トロフィ少女へ変わっていった青春。
ちょうど“エースを狙え!”の時代だったし。歳がばれますね。

それから。ずっと本は、読んだり読まなかったり。
結婚してから。赤川次郎さんの推理小説にはまったっけ。
考えてみれば、あの時代は時間を持て余して退屈だって思ってたけどゆっくり読書をする時間があったし。幸せだったのかもしれません。

元夫と離婚してからは、生活していくことに精一杯で本はおろか、新聞すら目を通す時間はありませんでした。

幼い我が子と生きてくことだけに時間を費やしてた。
ニューヨークで女手一つで生活していくってかなり厳しいんですよ。
だから、読書は。随分とご無沙汰してました。

昨年、父の状態がやっと落ち着いて成田から飛び立つ直前に私を見送りに来てくれた友人から1冊の本を手渡されました。
これが久々にゆっくりと読んだ本でした。
辻 仁成 さんの『サヨナライツカ』。
友人が、久々に涙した本だから、絶対読め!って渡してくれたんです。



私、ずっと涙が出ない状況が続いてたんです。
あまりに人生がしんどすぎて。泣きたいんだけど、泣けない。
感情が麻痺してたんです。
飛行機も昨年は国際線、国内線を含めて24回も乗ってた。
機内の映画はもう、最後のフライトではすべて見尽くしてた。
月が替わっても、機内映画って数本しか新しくならないんです。
だから、ちょうどいいやってその本を読んだんです。
成田~NYのフライト間で一気に読んじゃいました。

泣けましたね~。久々に泣けました。
一番前の席だったのでトイレを待ってる人とか、フライトアテンダントとかから丸見えの席だったんですけど、人目をはばかることなくボロボロ泣いてしまいました。
ティッシュ片手に、鼻かみながら。泣いていた!

その時の大量の涙は、その本がきっかけで流れ始めたのですが、
しめた!って思ったんです。泣いてる理由は本だけでは無くなってた。
今までの過酷な人生のすべてを洗い流すような気分で泣いてました。
泣けなくなってた自分をようやく取り戻すことができた瞬間でした。
だから私の座右の書は、「サヨナライツカ」です。
この本が泣けなくなってた私を生き返らせてくれました。
涙って生きてる証のような気がしました。
泣けるうちは、まだ人生やっていけるんです。


―本書にも登場されるさくらさんの息子さんについてご紹介していただけますか?

息子は今年初めに、ADHDだと診断されてしまいました。
その前はアスペルガーと診断されたんですが。
確かに心の病を抱えてしまってます。
でも、ADHDもアスペルガーでもありません。
そういった病名はあてはまらないと私は思ってます。
生まれつきの障害なんて、なにも無いんですから。
そういう決まった型に当てはめるのが現代の医学みたいです。
だから、診断する医師が変われば病名も変わる。
それって変ですよね。
最後はどの医師も薬の治療を薦めてくれました。
だけど、薬で抑えることなんて。できないんです。
心の治療は、どの医師もしてはくれなかった。
それは、傷つけてしまった私がするしかないんですよね。

知能指数は125、数学はNY州でも1,2位の成績を修めたことがあります。
今でも数学は大得意です。でも、気力を失ってしまっています。
興味ない授業は。殆ど寝て過ごしてる状態!
素直でかわいい、頭のいい子でした。心が純粋すぎたんです。
両親がそんな子供の心の成長期に傷を与えてしまいました。
夫と口論が絶えなくなったときから、息子の体が硬直するようになってしまいました。
それに気がついたから、私は離婚を決意しました。
息子を守るために。それしか方法は見つからなかった。

息子はパパが大好きでした。
本当に息子には、申し訳ないことをしてしまったと思ってます。
私たち夫婦がもっと仲良くうまく生活できてたら。
息子の将来はきっと有望なものになっていたことでしょう。
まだ諦めてはいませんけど。
息子は成長してから、よく私に言うことがあります。
「ママはパパと出会わなければ、僕が生まれてこなければ、もっと幸せになれたかもしれないね」って。
この言葉を息子に言わせてしまう人生を私は歩んできてしまいました。
それを取り戻すために、今必死で息子とこのニューヨークにしがみついて生活してます。
息子に生まれてきてよかったといつか思える日が来るように。
いつか私たちに安らぎの日々が訪れるように。

私はこの息子がいたから、今生きています。
息子が私をこの現世に留めてくれたんです。
何度もこの世から消えていなくなりたいって思ったことがありました。
でも、この子が私を必要としてくれたから。
今では、“くそばばあ”呼ばわりされてますが、息子に“くそばばあ”と悪態をつかれる度に、“ママ、愛してるよ!”って置き換えて聞いてます。
私もお返しに“このくそガキ!”って言い返す日々ですが、それはまともに“I love you !” と言えば、息子がパニックになってしまうので。只今反抗期と思春期なんで。息子の言葉で“くそガキ!”って置き換えて対応してます。
いつか互いに素直にダイレクトに
“ I love you !” と言い合える日が来ることを目標に。現在奮闘中!


― 日々のニューヨーク生活のなかでの、最近あった楽しいエピソードなどありましたら、お話ください。

私と息子のもとに、天使が舞い降りて来ました。
これは本を書き終わってから起こった出来事なので、残念ながら今回の本には、この天使のことは登場しておりませんが。
天使の羽は傷ついています。
傷ついた故に我が家に辿りついたのです。
羽を癒すために。
でも、その羽が癒えて飛び立とうとしたら、私と息子でその羽を隠してしまおうと思ってます。
もう天国には帰れないように。
あ、だからと言って我が家が地獄ではありませんから。
天使にとってここが天国、安らぎの場所となるように。
今我が家は確実になにかが変わろうとしています。
この天使の出現によって。息子の笑顔が増えました。


―作品を描かれる上で、苦労した点はありますでしょうか?

多くの本の内容は、ネットプログで書いてきたことなので。
プログは思いつくがままに書き綴ったものだったので、順序もバラバラ。
それを流れに沿ってうまく繋がるように、並べ替えて書き直しを入れて組み立て直しました。
プログを読まれた方でも、ああ、こういう流れだったんだと新たな発見ができると自信があります。
でも、こうやって一冊の本に順序立てて書いてみると、本当に私にはシンクロ現象が起きているんだと私自身認識できました。
あまりに起こっていることが重い内容だったので、読んでる方が息苦しくならないように、
途中笑える内容も話の流れと関係ないんですが、気分転換に入れました。
そこにも隠れたシンクロが潜んでいるのですけど。
そして、まだ公表していなかった話や、息子のとんでもない事件の暴露ストーリーなんかも書き加えました。
最後の章は私の希望が織り込まれています。
なんでもない鳥の話なんですが、あの章が一番私が力を入れて書き上げたものとなっています。
書き出しの章は、私の歩んできた人生で起きた多くの真実を中心に書いたのでエッセイというよりは道案内という形になってます。
どうしてこのニューヨークに私が辿り着いたのかという。
読まれるとわかるのですが、だんだん文章の流れに変化が出てきてます。
それは私がモノを書くということを学びながら成長していったという証でもあります。
あまりにもいろんな出会いや事件が短時間で起こって来てたので、限られたページの中ではそれを凝縮して表現することに苦労致しました。
人生の1部だけを書いたものではないので。
その1つ1つの出会い、事件できっと1つの小説が書き上げられるくらいのテーマがこの本には凝縮されてます。


― どうもありがとうございました。


さくらまいプロフィール
日本在住の英国作家の元で2年半秘書として出版を手伝う。
1984年、南フロリダ州立大学の語学留学生活を始める。
その夏、旅行で立ち寄ったマンハッタンに魅せられ NY ハンターカレッジに転校を決意。
その後、ウォール街のOLに転身。
結婚、出産そして離婚、シングルマザーとなる。
以後、会社経営者として活躍。
現在、会社倒産の危機に直面するも、必死で米国で格闘している。